仏前に供える必需品「お線香」のミニ知識

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香炉は「仏教の三具足」の一つ

昨年10月4日付けの本コラムで、「仏教の(みつ)()(そく)」(仏前に供える3つの供養具=花瓶(花立て)・香炉・燭台)と関連づけて、お供えの花(仏花)を取り上げましたので、今回はお香について話をしたいと思います。

お香の文化は仏教伝来とともに日本へ

まずお香のルーツは古代オリエントまで(さかのぼ)り、当時は乳香や(もつ)(やく)(いずれも特定の樹木から分泌される樹脂)などの薫香がもてはやされました。古代インドでは悪臭を除去したり、芳香を楽しむ習慣があり、それが仏様の供養にも採用されました(インドは多くの香木の産地でもある)。またインドから東西へ広まる過程で、西洋では液体(香水)となり、東洋では燃焼させる固体(香料)として発展したそうです。日本へは仏教伝来とともに伝わり、中国から今のような棒状のお線香が伝わったのは室町時代末期のこと、国内で生産されるようになったのは江戸時代からと言われています。
お釈迦様の遺言が書かれた『(だい)(はつ)()(はん)(ぎょう)』には「花輪、香料、顔料(日本の場合は水)をささげて礼拝し、清らかな心で仏塔(お墓)をお参りすると、長い間、利益と幸せが起こるであろう」とあり、また『法華経』には「如来たちの遺骨や塔廟、土偶像、また壁や粘土づくりの塔に像を描き、香と華とを手向けた人々も、すべて悟りに到達するであろう」と書かれています。
さらに日本では儒教的な意味が加わり「故人の魂がお線香の煙に乗って位牌に寄り付くという考え(死生観)が生まれたのではないか」という話が発展して「お線香は仏様の食べ物」「煙が上がっていくのは極楽への道」などと説明する人もいます。

癒し効果をもたらす科学的な裏付けも

科学的には、お香の香りを嗅ぐことで脳内にアルファ波や、エンドルフィン(癒し効果をもたらす物質で、「脳内麻薬」とも呼ばれる)が分泌されることが解明されています。巷では、天然香木の香りを鑑賞する香道という芸道もあれば、若い女性の間ではアロマテラピー(芳香療法、香料治療)も人気です。仏教がそれらの効果をどこまで理解していたかは不明ですが、そのお香の文化が時代を越えていまなお息づいているのです。

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